夢で見たことが現実になったという経験をした方はいらっしゃると思います。
正夢というものです。

「わしは夢などほとんど見ないし、まして正夢なんて見たことがないので
そんなこと信じられませんね」
ある80歳のおじいさんはそう言っていました。

おじいさんは75歳のおばあさんと二人暮らしでした。
社会人の子ども達は家庭を持ち、
独立していました。

そんなおじいさんが病気で入院することになりました。

「おじいさん、洗濯した下着とパジャマは私が毎日、届けますからね。
汗をかいたら、ちゃんと着替えて下さいよ」

「わかっている。わしは子どもじゃない。
おまえも電車で1時間の病院に毎日、来なくてよい」

大正生まれのおじいさんは頑固一徹な人柄でしたが、
それでも毎日、洗濯物を持って、
様子を見に来るおばあさんを気遣って言いました。

そんなある晩、
一人で家にいたおばあさんに
病院のおじいさんから電話がかかってきました。

「病院から電話をかけてくるなんて、
おじいさん、いったいどうしたんですか?」
おばあさんは悪い診断結果が出たのはないかと思い、
心配になりました。

「わしは今朝、おまえの夢を見た。
滅多に夢など見たことがないわしが、
おまえが玄関の鍵をかけ忘れている夢を見たんだ」

「何だ、そんなことですか。鍵はちゃんとかけましたよ」
おばあさんは笑って言いました。

「とにかく、電話を切らずに今、玄関の鍵を確認に行け!」
おじいさんは語気を強めて言いました。

「はいはい、わかりました。今、見て来ますよ」

おばあさんは仕方なく玄関のドアの鍵を確認に行きました。
するとどうでしょう。
買い物から帰った時にちゃんとかけたと思っていた
玄関のドアの鍵がかかっていなかったのです。

「確かにちゃんとかけたと思ったのに、鍵はかけていませんでした。
今、鍵をかけて、ドアチェーンもしっかりかけてきましたよ」
電話口に戻ったおばあさんはびっくりして言いました。

「慌て者のおまえのことだからな。
郵便受けから手紙と夕刊を取り、
手提げとスーパーの買い物袋で両手がいっぱいになったおまえは、
そのまま家に上がってしまった夢を今朝、わしは見たんじゃ」

「おやまあ、まったくその通りですよ。
買い物から帰って、家の郵便受けを覗いたら、
手紙と夕刊が来ていて、
左手で手提げとスーパーの買い物袋を持ったまま、
右手で手紙と新聞を持って来ましたので、
そのまま家に入って、
誰からの手紙かしらなんて気を取られていたので、
すっかり玄関の鍵をかけ忘れてしまったようです。
しかし、そんな夢を見るなんて不思議ですね」

「慌て者のおまえのことだ。わしが家におらんと心配でならん。
きっと夢が知らせてくれたんだな」

滅多に夢など見ないおじいさんでしたが、
入院を切っ掛けにこのように留守中のおばあさんの夢を見るように
なったそうです。
今ではおじいさんもおばあさんも
夢のお陰で助かったと夢の知らせを信じるようになったそうです。

このように夢には知らせやメッセージが含まれています。
日常のささいな夢でも
忘れ物や危険を予知できればありがたいことです。

夢に敏感になって、あなたも夢ノートに夢を記録しておくと良いですよ!